クロック別エンコード時間

画質の問題でhandbrakeでは満足行かない動画がある。
より良い画質にはより良いエンコードソフトということで調べていたところ、vectorに第17回Vectorプロレジ大賞というのがあって、そこにTMPGEnc Video Mastering Works 5と究極動画変換 7というのがあった。
試しにやってみると、究極動画変換7(以下究極)の方はTMPGEnc Video Mastering Works 5(以下TMPGE)と比べて、エンコード時間は早くて良いのだが、どうもコマが間引かれているような感じに見えてだめなのだ。
一方のTMPGEは画質がとても良いのだが、設定が初心者には複雑すぎてよくわからない。
ともに画質は良くても、コマを間引いているような印象の究極は、どうせシェアウェアであるなら選択しづらく、結果TMPGEを選ばざるを得ないのである。
携帯プレーヤーでの再生がメインで、TVやPCでは再生しないと割り切れるなら、金額、エンコード時間からして究極を選ぶのであるが…。
ま、そんなんならhandbrakeでいいじゃないか、という話もあるわけで。

ともかくTMPGEを使うことにした。
PCはメインから退いて久しいphenom x3 720BE。
寄せ集めで作ったリビングマシンが、まさかこんな形で使われることになるとは思わなかった。
そんなわけでオーバークロックがどうとか、そんなの関係なくエンコードをしていたのであるが、ふとこれの昔を思い出した。
コアアンロックなしの状態で、3.5GHz常用だったこのCPU。(倍率変更&電圧のみ変更で、ベースクロックはノーマル)
ならば、クロックアップした場合はエンコードにどれだけ影響があるのだろうか。

カレントクロックで2.8GHzの3コア。
23分の動画を変換。
もちろん条件はすべて同一。(TMPGEのプロジェクトとして登録)
クロックアップはマザーから変更。(倍率のみ)
***
1.デフォルトクロック 2.8GHz → 40分
2.クロックアップ後 3.4GHz → 46分
***

びっくりするほど早くなるわけではないが、エンコード対象が多ければその差は大きい。
きっと、HTTをメーカーpegasysが推奨しているので、びっくりするのはcore i7に変更した場合なのだろうな。
ちょうど現在はivy bridgeが出るだろう4月までわずかなので更新するつもりはないのだが、ivyの素性次第では候補になりそうだ。
もちろんそれならメインをi7にするのが順当だろうが…。 😉

なお、以前の常用クロックである3.5GHzではないのは、電圧変更が機能していないため。
マザーが廉価なものであるので、仕方のないところだ。
加えて電源はいつのものかもわからないほどに古い。
何せSATAコネクタが一つも存在していないうえ、ATXが20ピン。
たぶん10年くらい前のものだ。
エンコの時間短縮を至上命題とするなら、現状、電源とマザーは変えた方が良いだろうし、おごるなら編集の操作時のためにSSDも欲しいところだ。
メインマシンで編集作業時(別ソフト)はramが13GBあって大変快適なので、メモリーの安い現在、同じようにramで編集というのも選択肢に入りうる。

でもやっぱりエンコのためだけに何かを新調するというのは誤りだろうな。 😎

ちなみに余談であるが、コアアンロックするとprimeが通らないだけでなく、IEも起動できず、エンコードは変換後の動画にノイズが入る。
この720ははずれなのである。
windowsの起動は可能なのにソフトがだめというあたり、たぶんメモリ周りに欠陥があるためと思われる。
他に所有のCPUでアンロックができる物は通常通り使えることを考えると、コアアンロックが祭りを演出していた頃を思い出すにつけ、本当に使えないからx3として売られることになった石なのだと思われる。

<2012.02.26追記>
さて、肝心な情報が間違っていることに今気づいたので、追記情報とともに修正。
クロックアップしたのにエンコード時間が増えるなんておかしいだろう ❓

知人のAMD 6コア(型番失念だが、x4アンロックではない)が同じ設定で等速よりもほどほどに遅れる程度なので、たぶんそれならばコア数を稼いだ方が早いだろうと思い早速実験。

720BE → Athlon 2 x3 445

これは他マシンで4コア化できていたもので、たぶんこのマザーでもいけるだろうと、その実成功。
primeでのテストも問題なし。
そんなわけでエンコ環境は

3コア → 4コア

になった。
クロックはデフォルトの3.1GHz。
同じ条件で、

***
1.デフォルトクロック 2.8GHz → 46分
2.クロックアップ後 3.4GHz → 40分
以上3コア(720BE)

3.コアアンロック4コア化 3.1GHz → 38分
以上4コア(445)
***

ごくわずかに早くなった。
あまり変わらないが…。
やはり6コアにはかなわない。
しかしメインの6コアをおごるなんてとんでもない。

変わらないなら720BEでいいじゃないかって話だが、クロックアップすると電源の容量とその質が悪いらしく、kernelpowerエラーでブルースクリーンとなる。
電源買うのもなんだかばからしいし…。
結局また720BEは退役の憂き目にあうこととなったのである。

<2012.03.03追記>
6コアの情報をいただいたので一緒に掲載。
OSがwindows7 64という以外はほぼ構成が違うので厳正な比較にはならないが、大まかにその傾向がわかると思う。

***
1.デフォルトクロック 2.8GHz → 46分
2.クロックアップ後 3.4GHz → 40分
以上3コア(720BE)

3.コアアンロック4コア化 3.1GHz → 38分
以上4コア(445)

4.1090T デフォルト3.2GHz → 36分
以上6コア
***
え 😐
どゆこと?
あまり時間が違わない…。

<2012.03.05追記>
1090TをOCして比較してくれたので、参考まで。

5.クロックアップ3.6GHz → 34分

変わらない…。
前提条件が確認できていないのだが、違うファイルを試したのかもしれない。
よって、一連の結果とは別に記載。
で、一番の違いに気がついたのだが、1090Tにはgeforce 460が乗っている。
そして、cuda有効。
一方のマイエンコマシンは880Gオンボードグラフィックであり、当然cudaは無い。
ここにオーバークロックによる時短効果の無効となる原因があるのではないだろうか?

<2012.03.09追記>
使用比率cuda75% cpu25%
今度はGPUをOC 700→875

***
4.1090T デフォルト3.2GHz → 36分
5.クロックアップ3.6GHz → 34分
6.CPU&GPUクロックアップ → 28分
以上6コア
***
以前時短に結びつかなかったのは、cuda設定に不備があったからだそうだ。
これで随分と等速に近づいた。
問題はこれで消費電力がどれほど増大したのかというところだが…。

今度はコアアンロック4コア化445の話。
電源を別に変えてOCチャレンジ。
バススピード(HT自動追従)217 にクロックアップで 3.36GHz。
電圧(メモリ、CPU、HT各々)を若干盛る。

***
1.デフォルトクロック 2.8GHz → 46分
2.クロックアップ後 3.4GHz → 40分
以上3コア(720BE)

3.コアアンロック4コア化 3.1GHz → 38分
7.コアアンロック4コア化 3.36GHz → 35分
以上4コア(445)
***

電源を新調してまでOCするほどに時短の意味はない、コストパフォーマンスの意味で。
結局はコアアンロック4コア化デフォルトクロックでのエンコに落ち着いた。
以上。 😉

<2012.05.16追記>

ソフトの使用(負荷)状況に合わせて、メインPCの960Tをエンコードマシンに移植した。
prime95が完走する6コア化CPUである。

エンコードが早くなることを期待してチェック。
いつものサンプル動画を試してみる。

***
8.デフォルトクロック6コア化 35分
***

どうやら時間としては変化がない。
ただし、CPU使用率(負荷率)はこれまでの70%前後から50%前後に減少。
であるならば、バッチ処理で二つのファイルを同時にエンコードすればトータルで処理速度アップだ。
このサンプル動画はデジタルでエフェクトも少ないアニメで、色数は多くなくシーン変化も少ない。
似たようなエンコード対象をバッチ処理(2バッチ)で試してみると、時間は38分で終了した。
これは対象が特殊なので最良の結果(約2倍)がでたが、特殊な条件とはいえ早くなったのは事実である。

一方、アナログや映画なども試してみた。
こちらはやはり100%の使用率で変化なし。
時間の方は1時間28分から1時間2分とかなりの時間短縮となった。(元ファイルは45分弱のドキュメンタリーもの)

以上の結果からすれば、CPU使用率を参考にバッチ(並列)処理を活用すれば効率的に時短を達成できる。
これまでは24時間稼働で電気代無視であったが、これなら夜間電力時間内で処理が完了できそうだ。
電力の上昇分(1.3A→1.6A)を加味しても6コア化の方が効率的と言える。
ちなみに、ワットチェッカーではなくクランプメーター(精度・分解能が低いもの)で計測しているので前回とアンペア数が違うが、大まかな上昇率はわかるので参考値として記載しておく。

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